エウレカ

ヒトラーと戦った22日間のエウレカのレビュー・感想・評価

ヒトラーと戦った22日間(2018年製作の映画)
3.0
絶滅収容所のひとつであるソビボルの話。
政策はドイツ、もしくはポーランドあたりかと思っていたがロシアだったのが個人的に珍しい印象。

原題「Собибор / Sobibor」を見ると、邦題はもう少しどうにかならなかったのかヤキモキする。
「ヒトラーと戦った」というよりは「ナチスと戦った」の方がしっくりくるのでは?
作品全体を通して、ヒトラー個人との戦いではなくナチスという悪と戦っていた印象が強いのだが…

序盤、ナチスの"戦利品"の中から妻に作ってやった結婚指輪を見つけるシーンには、心が引き裂かれる思いだった。
ガス室で大勢の女性が苦しみ死んでゆく場面、囚人たちに番号を振り決まった番号を振られた囚人を、まるでリズムにでものっているかのように淡々と撃っていく場面、5分以内に切株を割らなければその場にいる囚人の10人に1人を殺すと脅しをかける場面など、肉体的にも精神的にも惨たらしいシーンが多々ある。

絶滅収容所といえばアウシュヴィッツ・ビルケナウが最も有名であるが、今作の舞台であるソビボルをはじめとする他の絶滅収容所、また、ヨーロッパ各地につくられた収容所(ベルゲン・ベルゼン、マイダネク、ダッハウ等)でも同様の悲劇が起こったという事実を改めて認識できる。

ソビボルの絶滅収容所は作中で描かれる件以降閉鎖したが、ここで多くの罪なき人々が虐げられ犠牲となったことは肝に銘じておきたい。
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