ぽち

ヒトラーと戦った22日間のぽちのレビュー・感想・評価

ヒトラーと戦った22日間(2018年製作の映画)
2.8
キャラがまったく立っていないことと散漫な脚本により、悲惨なエピソードを羅列しただけになっている。

そして実に細かい事なのだが、所々で違和感と嫌悪感をおぼえる。
地雷の爆発の仕方が戦隊特撮物的だったり、それをバックに感動押し付けのスローモーションだったり、のんびりロマンスシーンがあったり・・・

観た後調べてみると、事実とはかなり違い脚色部分が多い。
嫌悪感の正体はこれだと思う。この題材を使い、ロマンスや派手な爆発シーンを入れてエンターテイメントにしていいのか?という事。

逆に、なぜこのシーンを入れなかったと疑問なのが、逃げる際に手違いがありみんなが動けないでいた時(ここまでは映画も同じ)サーシャが囚人たちの前で自由を求める演説をしたそうだ。
スピード感を重視したのかもしれないが、こんなおいしい場面なぜ落とす?

収容所の悲惨さをメインに持ってきているのが「見世物的」で嫌悪感を抱く。
それよりサーシャの感情や苦悩を描くべきだろう。
600人逃げてその場で半数の300人が殺され、その後も捕まったりして最終的に50人が生き延びたそうだ。
サーシャをヒーローと呼べるのか疑問の残る数字だし、本人も正しい行動だったのか悩んだのではないだろうか。

真面目に作ったのだろうが、監督の力量不足で単なる「商品」になってしまった作品だ。
ぽち

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