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将軍家光の乱心 激突のmitakosamaのレビュー・感想・評価

将軍家光の乱心 激突(1989年製作の映画)
2.7
コレは如何ともし難い内容だったなー。

徳川家光(京本)が非常にエキセントリックで、実子の竹千代(後の4代将軍家綱)を何故か忌み嫌い殺害命令を出す。
竹千代は元服の為に江戸に上るが、その5日間の間に家光の命を受けた暗殺者と戦う竹千代の護衛が描かれる。

竹千代の護衛は、主役の石河刑部(緒形拳)。長門裕之や中華系のカンフーアクションの人もいる。

対する暗殺者側は千葉真一率いる根来衆。
家光の老中・阿部重次(松方弘樹)は刑部の妻を家光に差し出している因縁がある。

山道を旅しながら追っ手と戦うシーンが映画の90%を占める。全編に渡りアクションに力を入れているが、逆に言えばアクション以外の見せ場が一切ない。

ダレ場の無いアクションだけの映画は、只々緩急が無く退屈になってしまう。
ドラマも希薄だし、キャラクターの掘り下げ方も浅い。

例えば、竹千代が雪の坂を楽しそうに滑り降りるシーンがある。スローモーションでたっぷり時間を取って、とても大切な場面な筈だ。
何故なら竹千代が刑部らに初めて心を開くシーンだからだ。だが前後の感情の変化がちゃんと描かれていない。
大切なシーンの筈なのに、アクションに埋もれて一切印象に残らなくなってしまった。

アクションは見どころも多いが、スタントに巻き込まれるお馬さんが何度も転ばされて可哀想。今じゃ完全にNGだな。
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