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ドクター・スリープの私の映画のレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
4.0
キューブリック版名作シャイニングとはまた違った雰囲気の映画。これはこれですごく面白い。キューブリックのシャイニングは気の狂った父親だけが恐怖の対象ではなく、静謐で凍てついた雰囲気の中にある不気味さというか広大なホテル内に人はおらず、外部とは完全に切り離され孤立した怖さみたいなのもあった。最後を飾るあの雪に塗れただだっ広い迷路とか。あの迷路のシーン大好きだけど。この映画は登場人物がたった四人程度であるシャイニングとは逆に登場人物が多くにぎやかなホラー。

キューブリックのシャイニングで焦点を当てられたものが気が狂った父親ならば、続編であるドクタースリープはダニーやアブラの持つ"シャイニング"という能力に焦点が当てられている。最後のほうはふたりとも悪い魔女に果敢に挑み闘う超人みたいに見えた。アブラは勇敢。

シャイニングという映画は一度観ただけでは気付けないような隠された謎や意味が色々とある映画なので、さまざまな角度からシャイニングを考察するドキュメンタリー映画もまた気が向いた時に観てみたいと思う。

この映画の終盤の舞台がシャイニングのあのホテルとなったときは既視感あるものがたくさん出てきてものすごいテンションあがった。わたしはキューブリック版シャイニングのあの真っ赤なトイレが好きなのだが、それが登場しなかったのが少し残念。幼少期のダニーにもっとも恐怖を植え付けたであろう237号室の腐乱した老婆のことをもっと知りたい。
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