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ドクター・スリープのJIZEのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
4.4
飢えた雪山の呪われたホテルでの惨劇を生き延びた少年ダニーの40年後が描かれるクラシックホラー映画‼︎シャイニングは直訳で"特別なチカラ"。終盤でダニーがある場所で斧を握り締めるシーンは製作サイドの熱が感じ取れ個人的に白眉に思う。冒頭であのドギツい重低音と遥か上空から真下を見渡すあの独特のカメラワークを食らった瞬間から40年前の世界観に引き戻された感覚がある。まず本作が巨匠スタンリー・キューブリックが約40年前に放った最恐ホラー映画『シャイニング(1980年)』の続編という驚愕の事実を鑑賞後に深く噛み締める。。端的にプロットが大円団に向け動き出すファンサー要素もありあの歪の世界観が中毒的にすきな者ほど刺さる続編ではないか。つまり狂気の父親に殺されかけた幼少期のトラウマを抱える中年男が、ジブンと瓜二つの同じ能力を持つ少女と出会い邪悪な集団に立ち向かう一種のクライム要素が前回の定型を踏襲しつつも足されている。おもに未来の恐怖を暗示するる"REDRUM"の壁文字や"双子姉妹の幽霊"、"浴室に住まう老婆"や"エレベーターの鮮血"などココぞとばかりに特に後半はトラップが仕掛けられ観客を一旦スリラーに引き寄せホラー映画として君臨する一種のジャンルミックスのような感触である。苦言は作品魅せ場のあのホテルへ到着するまでがかなりゆっくり目で描かれ最終対決へ向けて盛り上がりを魅せる構成のためそこの溜めが長過ぎる気もする。また敵陣の生気を吸い人間狩りをする存在もだいぶボヤけてフィクション寄りではないか。ただやはり新たな起源の前半とあの場所に戻る後半で大転回させるプロットにグラグラ揺さぶられ最高すぎた。傑作。
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