今回、シャイニングの続編と考えるのではなくスティーブン・キング作品物として考えて観てみた。
「It」とは違う別の恐怖を感じた。
シャイニングを観ていないがスティーブン・キング派とキューブリック派があるのは知っていた。今回の作品はマイク・フラナガン監督が二つを混ぜ合わせた作品と言う話だが、自分にとってはドクタースリープ、続編であることを知らずに観てもとても楽しめた。話の中盤ではアブラとローズ率いる「真の絆、トゥルー・ノット族」のサイキックバトルがメインになりX-MENのようで面白かった。他にもシャイニングのファンにとっては懐かしい名シーンなど盛りこんでいてとても良い作品だなと思った。
「It」と違う恐怖とは、
「It」では子供達のトラウマや怖いと思う物が具現化して襲ってくるという恐怖、そしてそれがなんなのかわからない謎めいた存在に恐怖を感じたが、
「ドクタースリープ」では、恐怖は子供が想像する様な物ではなく、日々私達が感じる過去のトラウマや苦痛、実際にある怖さを目に焼き付けてくる。終盤バーでダニーと父の会話シーン。『酒を飲め』と勧める父が悪魔の様に誘惑してくる。目の前に悲劇の惨劇にいた父、飲めばトラウマを忘れれるお酒。もし自分の前に同じ状況が起きたらたまったものではない。ましてはそんなシーン考えたくもない恐怖シーンだ。
個人的にはここは怖いと思ったのが、19番の野球少年が「真の絆」に襲われるシーン。野球少年が一瞬で殺されるのではなく徐々に痛めつける残虐シーンは痛々しい、そしてその少年の叫び声と遠くからアブラがその一部始終を見て拒絶するが止められず叫ぶシーンは恐怖どころじゃない、おぞましすぎる。思わず目を逸らしたくなった。目の前で人が殺される、助けれない、そして次の狙いは自分、そんな事が目の前で実際に起きれば錯乱状態にもなるし耐えられない。思わず助けてと呼びたくなって黒板に"REDRAM"をぶつけたくなる。
「ドクタースリープ」、人間の悲痛と言えるトラウマや想像もしたくない感情へダイレクトに恐怖を植えつけてくる。そこが自分的に「It」とは違うドクタースリープならではの恐怖だと感じた。
勿論「It」とも似ている恐怖はある、ベバリーが親から受けた虐待は成長した大人になっても変わらず夫のDVとなってトラウマを抱えている。それはドクタースリープのダニーにも似ている。なんとなくスティーブン・キングは人間の最もの恐怖はトラウマの中にあると言っている様な気がした。
2019年沢山のホラー作品が生まれたが、スティーブン・キング原作作品はずば抜けて面白い。
今後も謎めいたホラー作品が生まれるのが楽しみだ。
そしてもちろん、これ起きに前作のシャイニングも見るつもりだ。