キットカットガール

僕はイエス様が嫌いのキットカットガールのネタバレレビュー・内容・結末

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

 ミッション・スクール、突然説明なしで入れられても理解できるはずないよね。誰かきちんと説明してあげて、と正直観ていて思った。子供であっても、大人であっても目に見えない存在を信じるのは非常に難しい。そういう事からか、本作ではCGのキリストが登場するけれど、実際信徒はどのように感じているのか気になった。また、一神教のキリスト教を信仰しているにもかかわらず、神社でお賽銭を投げて問題ないのか疑問視した(まあ、キリスト教徒の外国人観光客もお賽銭入れているから、厳密に考えない方が正解なのかもしれないが...)。
 本題に戻ると、主人公の心のモヤモヤは自分が小学生の頃に抱いていた宗教・信仰に対する気持ちと類似していた。何かを信じる事がどれほど重要なのか理解できるくらい経験値が高かったわけでもなく、常に「納得できる説明」を求めていた。主人公と同じように、お祈りしなかったら悪い事が起きるとか、大切な人が死ぬと一種の脅しとも取れる説明を大人からされていた事もあり、本作で担任教師が「(事故に遭った親友が)このまま死んでもいいのかよ」と信仰と絡めてきた辺りに少々苛立ちを覚えた。こういう教育の延長には、やればその成果が必ず得られる、必ず報われるという、後に歪みとなる思想が形成されてしまう。私はキリスト教徒ではないが、大学でキリスト教について一応学習した者として、教義に反していると考えた。このような点も含めて、子供と信仰の複雑な関係性が伝わってくる。『翼のない天使』を想起した。

➕是枝監督作品のような雰囲気を感じた。子供達の演技は『奇跡』みたいに自然体だし。