るい

僕はイエス様が嫌いのるいのネタバレレビュー・内容・結末

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

真っ白な雪の中に白いニワトリがいるカット、とぼけた唐突さと可愛らしさがたまらなく好き。


「おおくまがこのまま居なくなってもいいのかよ」祈ろうとしない子供に対する先生の言葉は見ていて辛くなった。
人の生死に対して、居なくなったら祈りが足りなかったせいだ、という裏返しがあるのが怖い。でも心から神を信じていたら自然と出てしまうんだろうか?昔いた体育教師的なノリの先生像を描いているだけなのか?祈りってなんだろう。


おじいちゃんの死を象徴する張り替えられた障子に、ゆらくんが穴を開けて ふっと笑ってくれたことで少し救われた。
かずまと一緒にいた思い出を身近にしてくれる穴なのかなと。
願いを聞き届けたイエスが天に昇っていくカメラワークのラストが印象的。

嫉妬から抱いてしまった(かもしれない)黒い気持ち、祈っても助けてくれなかった虚無感、出会わせてくれてありがとうという気持ち。人の生死に触れて訪れる心の動きがシンプルだけど純粋に描かれた作品だなと思った。
るい

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