ソラアユム

海獣の子供のソラアユムのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
4.0
『お前さんの小さな手のひらの中にある物語にも、“世界”は姿を借りて潜んでいる』


ジュゴンに育てられた少年と出会った少女が経験する神秘の世界を描き出すアニメーション作品

センス・オブ・ワンダーな傑作アニメーション
ひと夏の甘酸っぱい青春物かと思いきや、想像をはるかに超えるビッグスケールは話でこれは劇場で見たかったと後悔した。

小難しい話も圧倒的映像美で魅せる。
中盤までは、“生誕祭”“ゲスト”“祭りが始まる”…など、抽象的なセリフが多く、登場人物の行動・言動が要領を得ない。しかし圧倒的な海、空、自然の表現、細い線で繊細に描かれた人物表現などに唯々圧倒させられる。夏休みのノスタルジー&生命の海&宇宙という組み合わせが新鮮なインスピレーションを生んでいる。『2001年 宇宙の旅』『ツリー・オブ・ライフ』を彷彿とさせるSF感と雰囲気だった。

終盤のセンス・オブ・ワンダーな映像体験
後半の30分の情報過多&没入感MAXの映像表現には言葉が出ない。あえて言うなら…何もかも感じる!すべて見える!いつまでも情報が完結しない!といったところか。無量空処を食らった感覚であった。

新鮮な映像体験を欲している方にとりあえず見てほしい一本