OASIS

海獣の子供のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

海獣の子供(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

長い長い夏休みの間に、少女が生命の誕生や人類の起源に触れて生きる意味や道を見出す話。
実際には良くわかっていないけれど、とにかく挑戦的なアニメ映画であり今後語られる作品であるということは分かる。

ジュゴンに育てられたという二人の少年との不思議な出会いが描かれる前半、彼らと別れる後半とでスケールの拡がり方がエゲツない。
海は子宮であり、そして隕石は精子であり、生命の誕生は海である。
海は「産み」であると。
確かにビッグバンによって宇宙は誕生し、海から産まれた生命はやがて人類へと進化した。
その過程をエネルギッシュな作画と描写で見せつけられるのだから、後半はもうテレンス・マリックの映画を観ているようだった。ツリー・オブ・ライフかよと。
後半の作画は言わずもがな、それだけではなく始まりから終わりまでちょっとした描写まで全く手を抜いておらず、本気度が伺える映画だった。

個から全へ、そしてまた全から個へと戻って行く。
一人の少女の目線から生まれ変わり続ける宇宙へと、連綿と続く生命の円環に触れることができる傑作、奇作であった。
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