96CHANG

海獣の子供の96CHANGのネタバレレビュー・内容・結末

海獣の子供(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

絵が綺麗
なんて感想は無粋だが
それでも言いたくなるほどに
絵が美しい

リアリティある線とデフォルメされた線のコントラストが素晴らしい
背景はゆるく動くものはリアルに描く事でピントが合う的な効果を感じた(ポートレート的な効果)
海の美しくも荘厳な畏ろしさがしっかりと表現されている
怖い
スピリチュアル
なんかすごい学校の詩の"Cosmos"を思い出した

音も美しい

後半は抽象画の"祭り"みたいだった

さすがにちと長い
アートフィルムとして割り切れば観れるが
登場人物の思わせぶりな独白も相まって物語への訴求力が損なわれる
物語はあってないようなものだが
「考えるな感じろ」理論も好きじゃあないので
芸術なんで
と片付けるには決定的に何かが足りていない気がする
自分にとってのその何かは「メッセージ性」だと思った
「言葉の無力さ」みたいなものは感じれたが…
もう少し若い頃に見れていれば、この鬱屈としたエネルギー自体を作品と自分とで共有出来のかもしれない

それにしても
日本のアニメ映画は
女子高生✖︎夏空という記号の呪いにでも架かっているのだろうか…

何かのをモチーフにした神話をなぞっている気配がしたが
観賞後特に考察をみたいわけでもない
命の螺旋のイメージ(うずまき、DNA)
隕石(精子)、胚
など少し露骨かな?と思われる表現もあった
特にルカが目を開く部屋は…あれはあきらか子宮口で…🤦🏼うーん

現象と心情が結びつかない
ただ事故に巻き込まれる感

片割れの探しの文学的要素
伝え方の文法が悪い

とはいえ絶対悪い映画とは評されない不思議な魅力のある作品
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