ツバメ

海獣の子供のツバメのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
4.8
主人公のるかは大地の役割を持っている。空と海を繋ぐ陸の立場、るかが海くんと呼び続けるのは海と大地の繋がりがあるから。
だからこそ、空くんは海とるかの関係性を一歩引いた目線で見ている。これは海と陸を見下ろす空のメタファーだと感じた。さらに空から渡された隕石を終盤にあらわれた海くん自身ではなく、るかが渡すのも海と大地の地球のなかでの類同性からくる繋がりなのかなと思う。それが大地の役割だから。そして、宇宙の比喩である夜光虫を空くんが説明するシーン、これは海と大地の立ち位置が座標軸に置いてx軸なのに対して、空と宇宙とはy軸に位置しており、関係性の対比が起きている。だから夜光虫の神秘性を感じる上で空くんの登場が必須。最後の受胎終了の後水面に浮き上がったるかが空を見つめて何かを飲み込むシーン、これは空くんに託された隕石と海くんとの展開(少し前のシーン)においての自分のすべきことがわかった、やりおえたという報告にちかいのかなとも思うし、自分の中で空くんに吐き出したい言葉を飲み込むというようにも見える。
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