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アルキメデスの大戦のmaiのレビュー・感想・評価

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
3.8
こんなに硬派なエンタメ作品はじめて観ました!!
ただただ圧倒されます。

数学オタクの櫂と根っからの真面目軍人の田中の2人が、戦争を止めるために軍艦の見積もり予算の山を崩そうと奮闘する…。
このストーリーに、数学への尊敬・戦艦の美しさ・日本人の誇り・先見の明…さまざまな要素をぎゅっと詰め込んでいて、見ていて全く飽きません。
そして、超豪華な演技派俳優達によるエンタメ色ありつつの迫力ある会話劇は素晴らしい以外の言葉が出てきません…!

櫂という人物は全くの架空の人物だそうですが、こういうストーリーが背景にあったのだろうか…と思うくらいで(もちろんあの理屈で事が進むわけはないのですが)、戦争の結果を知ってるだけにラストは複雑な気持ちになりました。
数学は真実しか言わないという信念を持ち、主張し続けた櫂が平山に折れた理由を考えるほど、「国のため」「未来のため」という言葉の重さを感じました。

軍艦に興味もなかった私ですら、終盤は「なんて美しい船体なんだろう」と思うくらいでした。

またキャラが立ってるのも最高です。
菅田将暉・柄本佑の両者が演じた櫂や田中は言うまでもなく、信念に真っ直ぐなキャラクターで魅力的なのですが、田中泯はじめとする重鎮達も言わずもがな素晴らしかったです。
軍人達の堅物な感じとプライドの高い様をうまく表していて「ザ・軍人」が出来上がってました。

2時間以上ある映画ですが、全く長さを感じさせず、最初から最後まで楽しめました!
ストーリーが最終的にあれやこれやの伏線を回収しているというのも良いです。

これは今年のベスト邦画の上位に名を馳せる作品だと思います。
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