地球外生命体

ふたりの女王 メアリーとエリザベスの地球外生命体のレビュー・感想・評価

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「レディ・バード」のシアーシャ・ローナン、「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビーが16世紀の英国を生きた2人の女王を演じた歴史ドラマ。

16歳でフランス王妃となりながら、フランス王フランソワ2世崩御により18歳で未亡人となったメアリーは、故郷のスコットランドに帰国。再び王位の座に就くが、当時のスコットランドではプロテスタント教徒の勢力が増しており、彼らは女性君主は神の意に反すると、女王メアリーの存在を快く思っていなかった。メアリーは家臣の陰謀や内乱などによって何度も王座を追われそうになり、厳しい運命に翻弄されていく。一方、イングランドを統治するエリザベスは、自分と違い美しく、結婚もして子どもを産んだメアリーに、複雑な思いを抱いていた。王位継承権をめぐりライバルもであるメアリーとエリザベスは、複雑な感情を抱きながらも互いに魅了されていき、男性社会の中で孤軍奮闘する女性として激動の時代を駆け抜けていく。

ケイト・ブランシェット主演の「エリザベス」を手がけたプロデューサー陣が、エリザベスと同時代に生きたメアリーに着目して製作。メアリー役をローナン、エリザベス役をロビーがそれぞれ演じる。監督は、ロンドンの演劇界で活躍する女性演出家で、映画監督はこれがデビュー作となるジョージー・ルーク。

【メアリー・スチュアート】
1542年、スコットランド国王ジェームズ5世と、メアリー・オブ・ギーズの間に生まれるが、すぐにジェームズ5世が死去。0歳にしてスコットランド女王となる。イングランドから命を狙われていたため、5歳で渡仏。華やかなフランス王宮で教養を深め、ラテン語、フランス語などの語学に堪能だった。15歳でフランス王太子と結婚し、スコットランド女王にしてフランス王妃となるも、18歳で未亡人となり、スコットランドへ帰国。父方にイングランド王、母方にフランスの有力貴族の血筋を持ち、イングランド王位継承権第一位の人物でもあるメアリーは、イングランドを統治していた従姉妹、エリザベス1世に自身のイングランドの王位継承権を主張する。(※エリザベス1世は庶子であり、母方の血筋をたどると農家出身という差があった) 敬虔なカトリックで、長身、センスの良い衣服装飾を好んだ。一般的な西洋史ではエリザベス1世と比較され「美貌の女王」「悲劇の女王」「愛に生きた女王」とも言われている。

【エリザベス1世】
1533年、イングランド国王ヘンリー8世とアン・ブーリンの間に生まれる。3歳で母が刑死、エリザベスは庶子と見なされ、王位継承権を失う。その後、再び王位継承権を得るも、異母姉のメアリー1世統治時代にロンドン塔に幽閉される。1558年、メアリー1世が死去し、エリザベス1世として即位。国際紛争や国内派閥の形成を避けるため、生涯結婚を拒否した。メアリー・スチュアートが息子ジェームズを出産後、エリザベスに代母(ゴッドマザー/洗礼の立会人・後見人)を依頼したことから、エリザベスはジェームズを次期王位継承者として考慮するようになる。1603年、約45年間の統治を経て、死去。

29歳で天然痘にかかって以来、髪は抜け落ち肌は荒れていたが、国民に威厳ある姿を見せるために、肌を白く厚塗りし、カツラを着用していた。外見的なコンプレックスもあり、豪華に着飾ることを好み、襟の大きさは「エリザベスカラー」と言われるほどに肥大化し、髪にも真珠を縫い付けた。そのコンプレックスの一因には「美貌の女王」と呼ばれるメアリー・スチュアートへの対抗心があったのかもしれない。
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