Yuri

ふたりの女王 メアリーとエリザベスのYuriのレビュー・感想・評価

4.0
イングランドとスコットランドの大河ドラマそのもので、歴史の勉強になる作品です。でも、脇役たちのキャラクターを知らないと全然誰が何のために動いているのかわからないかも。メアリーの方が明らかに王位継承権が上で、配偶者も息子もいるのに、エリザベスの権威が揺るがなかったということは、よほどエリザベスに叡智があったのか。それか、メアリーの美点が欠点となったように、愛する人さえ寄せつけず、何も持たざる者の方が強いということか。皆に愛される女王ではいけないだなんて悲し過ぎるじゃないか(;△;) メアリーは勝ち気で頭も良く、帰国した際にイングランドに攻め込めば勝てたような気がしますが、女性ならではの見せかけの譲り合いが敗因だったということでしょうか。本当に足を引っ張る人間ばかりに囲まれた不運な人生だったのだなぁという印象を受けました(>_<) 二人の密談での会話は、出来ることなら仲良く理解し合いたいのに、椅子は一つしかないし、互いに譲る気がないから、それ故の会話が悲しかったです。なんか、すべて男性だったなら避けられたかも知れないと感じてしまうことがより悲しいです。男性は女性の上に立たなきゃ気がすまない生き物なのだろうか?心より力なのだろうか?と、今も変わらない考えがあるからこそ、彼女たちの人生に想いを馳せたくなる秀作です。
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