利息

岬の兄妹の利息のネタバレレビュー・内容・結末

岬の兄妹(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

全てにおいて救われない。こんなに救いのない事があるのかってくらい救われない…。
演者の演技がリアルすぎて、本当に現実に存在している兄妹の生活を眺めているかのような感覚だった。

シーンごとに色んな意味が含まれるように、そしてその意味がしっかりと観客に伝わるように映像を撮るのがものすごく上手い監督だなと思った。

お金を手に出来て食べ物が自由に買えるようになり、存在を隠すようかのように目張りしていた段ボールを剥ぎ取りるシーンは、環境的な意味の光と自分たちの人生に僅かな希望の光が差し込むように取れる。

お腹の子どもを手にかけようとして泣く兄に大事にしていた貯金箱を渡す妹のシーンは、泣いている兄への気遣いのつもりで渡したであろう妹の優しさと、結果的にそのお金が子どもをおろすお金になってしまっていること両方に泣いているように取れる。

他にも好きなお客の所へ行けないとわかり泣き喚く妹は、お腹の子どもを拒絶されたことへの悲涙にもとれる。

90分と短い映画だけど全部のシーンに無駄なく意味を持たせて撮るのすごすぎる。

最後の電話は結局また同じことを繰り返しているんだろうか…?はじめ君からの心配の電話だと信じたいな…
利息

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