Takhio

岬の兄妹のTakhioのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
4.0
予告編観て「これは観に行かなくてはいけない映画だ」と思い、早速行ってきました。

結構ハードル高めで行ったのですが軽々と超えてくれました、、、心揺れる良い映画でした◎

主演の和田光沙さん、韓国の『オアシス』の主演女優さんを彷彿とさせます、、。凄まじいほどの怪演。自閉症の方に見られる目の動きや手の動きといった行動が全く違和感有りませんでした。あのちょっと弛んだお腹、、、、愛おしい程の役作りです。


作中の「それでも人間かよ」っていうセリフ。人間だからこういうことになるんだなあ。人間だから生きるために葛藤して迷って苦しむんだなあ。
動物だったら障害を持って生まれることは即ち死を意味するわけで。人間は障害があっても勿論生きていくことができるわけで。だからこそ苦しみ絶望と闘わなくてはいけないのです。

ラストの終わり方もいい終わり方だと思います。この終わり方は解釈が分かれるなぁ。こういう映画を自分のパートナーと観たい。こういう映画こそ本当に観た人によって感想変わるし。お互いをもっと知ることができるし(何だこいつとお互い感じて仲悪くなる可能性も大)。
R指定に拒否反応示す人もいるけどそれは嫌だなあ。だってあなたセックスから生まれてきたんでしょ?そこに目を背け、性から遠ざかって生きていくの?と僕は脳みそピュアピュア世間知らず無垢ガールに問いたい。

ダンサーインザダークのような途方も無いほど陰鬱な映画なのかと思っていましたが、コメディ要素も多分にあり観ていて全く飽きませんでした。
暗いところもあり、クスッと笑えるコメディ要素もある。このコメディ要素があるからこそ、真に伝えたい重要な暗く悲しいテーマに皆がハッとさせられるのです。笑っていた顔がシンと鎮まり劇場の鑑賞者皆が自らに問いかけるのです。

一番笑ったのは「俺糖尿だからよ」の場面、、、一瞬ですが見つけてみて下さい。
Takhio

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