emi

この世界の(さらにいくつもの)片隅にのemiのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

いや何回映画館で観たんだという感じで今現在私の劇場繰り返し鑑賞No.1の作品に、38分の新規シーンを足したもの。
原作にあったリンさんとのシーンを主に追加。ということで、映画観た後に原作を観た私なので、
へー、リンさんってそんなに深くかかわってたんかとあとから思った勢ですが、今度は映画がそちらを補完するということで楽しみにしてました。
繰り返し見てるからか、どこで、何が足されたんだ…ということはだいたいわかって、まず水原さんがやんちゃだよというシーンで
もう目が釘付けに。そうやなそのシーンがあるからこそ、あとの湿っぽくなってる水原さんのシーンがより際立つよね…
とか、小松菜シーンだと、晴美さんとすずさんの仲の良さがより分かるな…(つらい)
など。そしてリンさんのシーン。一番華やかで印象的なのは言わずもがな桜のシーンで、本当にきれいだったし描写が最高だったんだけど
それよりなんかぐっと来たのが2回目に会った時に、子供ができたと思ってやっと嫁に来た意味が見いだせた、と思ったすずさんが、それは妊娠が原因でなくて、やっぱり居場所がないかもしれない、と思い悩んだことをリンさんが明るく励ますシーン。
「この世に居場所はそうなくなりゃせんよ」
結構会話がずーっと続くのだけど、その中でより二人の絆が深まったというか、多分会ってる時間って二人は少ないはずなのに、その中で濃密な会話をしたからこそ、お互いがお互いを大事にしてることがより分かって、よかった…。(パンフの解説にもあったけど)
それで、周作をめぐってちょっと微妙な心持に…というところでも、その前にこのシーンがあるからこそいろいろと納得感があるんだよな…。
とかそんな。あとはやっぱりリンさんによって、すずさんが「キャラクター」からよりひとりの「女性」として見えるようになった。
テルさんももう言わずもがなよかった。花澤香菜さん・・・。
物語というのはいろいろな解釈ができるところが面白いけど、制作側から今回はこの角度ですと言われているような、より「この世界の片隅に」の読み解き方が広がったことで、は~タイトルが秀逸…と思わされる。
あとやっぱり戦争に負けてすずさんが泣くところで私も泣いてしまうし、エンドロールのリンさんのお話はよりリンさんのことを知っているからこそ悲しい。
観に行けてよかったなあと思います。大事な作品。
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