シルク・ドゥ・ソレイユの演目のひとつ、92～07年にかけて上演された「サルティンバンコ」。公演は終了していますがソフト化しているので観ることができます。

コントーション、登り棒、綱渡り、ジャグリングにアクロバットにトラピスと呼ばれる空中ブランコ…
文字だけじゃただのサーカスや大道芸かもしれない、でも重力をまるで無視するかのような超人的パフォーマンスの数々にただ圧倒される。筋肉が必要不可欠ではあるけれど、この作品から感じられるのはパワーよりも羽根のような軽さとしなやかさ。バレエや舞踊や新体操のような動きもあり浮遊感がある。
男女がペアでパフォーマンスをするイメージがあったけれど、サルティンバンコでは同性のペアでのパフォーマンスが多かったことも印象的。特に気になったのがボレアドーラスというアルゼンチンの武器とステップを絡めた女性二人の演目。ヌンチャクとも鎖鎌ともトーチトワリングとも違うヒュンヒュンいうやつを使いこなす姿が格好良い。

映像用の演出ではなく実際に客前でのパフォーマンスを収録しているため客席の様子やセットの色使い、ファンクやフュージョンのような音楽を鳴らすバンドと「よい古さ」があって面白かった。
画は古くても今見ても驚きのある衰えないパフォーマンス。そして今もきっと作品ごと・一公演ごとに進化している、演出や美術も。感動というものは色褪せることがないなあ、そう思うとまたシルク観に行きたいなとウズウズする次第でありました。

◯

話がどうこうより、とにかく技がすごかった。もう半端ない。このあたりでシルク・ドゥ・ソレイユ作品内では7/10くらいか。銃で撃ちあうコメディーが面白かった。