虎舞羅ーコブラー

目撃者の虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

目撃者(2017年製作の映画)
3.8
韓国初登場第一位を獲得した、サスペンス・スリラー映画。

"韓国映画の中でも特にハラハラ出来るスリラー映画"と言われていたので鑑賞。
確かに少しばかり唐突すぎる展開やツッコミどころはあったかも知れませんが、純粋にハラハラドキドキ出来るサスペンス映画でした。
今作では、この手の作品には珍しい“目撃者”側の視点から、猟奇的な犯人に追われる恐怖を描きます。そして主人公が警察関係で強い…という訳でもなく、特に普通のサラリーマン。そして家族もいる為、追われる恐怖が倍増。捕まったら勝てないよな…、と全編通して絶望感を感じさせてくれます。
犯人側の描き方も中々良かったです。初登場時の階数を数える仕草や、油断しているとすぐ後ろに近寄ってくる恐怖。そして犯行の際は一切の感情も持たない様な冷酷な佇まい。黒い服に黒いキャップの姿さえもが恐ろしい。監督の描き方も、犯人側の役者さんも上手い。
そして映画というエンタメとして作りながら、現代社会への皮肉が感じられる要素を落とし込む、韓国映画のクオリティを感じられます。“無関心”と“見て見ぬ振り”の恐ろしさ。韓国だけではなく、日本社会にも充分当てはまる様に感じられ、考えさせられましたね。

途中エンタメに走りすぎた感はあるものの、充分ハラハラドキドキ出来るサスペンス・スリラー映画に仕上がっていたと思います。
見てない方は是非!