M少佐

ラスト・スナイパーのM少佐のレビュー・感想・評価

ラスト・スナイパー(2016年製作の映画)
2.0
 「母さんを不幸にする」

ナチスドイツ占領下のソビエト連邦の小さな村。
そこにロシア空挺部隊が降りてくる。
その村で再婚した教師と義理の息子の過酷な選択。

地味。
パッケージから想像するスナイパーの死闘ではなくナチスに従わないと生きていけない市井の人々の苦悩を淡々と描いた作品。
出だしのモノクロのオリジナルフィルムから美しいカラーの世界への違和感。
それはロシアからドイツに変わった奇妙な日常への変化に見える。
日本人は余り知らないことですが実際、生き残るためにドイツ軍に協力したロシア軍人は多数に登ります。
戦闘の一翼を担ったり治安維持に駆り出された経緯があります。
劇中にも出てくる台詞で「生きたい」と出てきますが戦争中の切迫した状況では我々の常識など通じない。
あくまでもただの一教師に様々な選択肢が与えられますが自分ならどうするか考えてしまいます。

貴重な歴史の1ページを切り取った作品ですが第二次世界大戦の欧州史に興味や基礎知識が無いと全く面白くない。

ダスビダーニャ
M少佐

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