成長の表現。
劇中でスティーヴィーが何度も大きいケガをする。兄との喧嘩で胸、屋根で落ちて頭、車事故で腕。人間って傷を負うことで成長するとするなら、スティーヴィーはケガする度大きな変化が訪れている。
同じ場所で同じ行動をするけど、雰囲気が全く違う。初めて兄ちゃんたちと道路でスケボーを乗った時と法廷の前で乗った時、スティーヴィーは終始笑っている。しかし後半同じ場所で同じことをしても顔に笑みはない。これまた成長を伺える。
病室でフォースグレードが作った映像をみんなで見る最後のシーン。ここは対比する二つの観方が出来る(と勝手に思う)。まず一つ。映像を準備する時、みんなカメラ(テレビ)をじっと見つめている。映画において普通はあり得ないこと。映像の内容は自分たちが今までやって来たこと。つまり彼らはバカ騒ぎしたり、愚かなことを繰り返すけど、自分たちがやったことから目をそらしたりはしないとのこと。
もう一つは映像の内容。ああいう映像には過激な内容が入りそうだ。しかしスティーヴィーが屋根から落ちた時の映像とか、ルーベンと喧嘩した時の映像はありません。辛いことが編集されています。つまり我々のMid90s (90年代半ばは) 楽しい記憶でいっぱいだというジョナヒル監督の思い。
印象的な作品で、ジョナヒルの次作が楽しみだ。