カネコ

mid90s ミッドナインティーズのカネコのレビュー・感想・評価

3.2
悪いこと=カッコ良いことなんじゃない。
カッコ良いことが”大人にとって”悪いことなんだ。

90年代半ば。13歳。兄からの暴力とその兄に対する憧れ。シングルマザーの家庭。そんな環境から一歩踏み出してスケボーキッズたちとつるむようになる少年スティーヴィーの青春の一コマ🛹
俳優ジョナ・ヒル初監督作。そしてA24配給。

スーファミ・ミュータントタートルズ・エアジョーダン・ビーバス&バットヘッドなどなど16ミリの荒い画質と相まってタイトル通り2018年製作で90年代半ばの雰囲気は良く出ていたと思う。

ジョナヒルの少年時代がモデルになっているそうで、ジョナヒルと同世代だけど当時の空気感がリアルだと思った。
こういう悪そうな子いたし、スケボーしてなくても部分的にみんな青春時代に通る道だね。アルコール・良くないお薬・異性🥃💊🧡

ただ雰囲気は最高に良いんだけど内容が薄い。
家族もスケボー仲間たちも個性的で色々なバックボーン抱えてるのにそれがほぼ全部台詞で片づけられてるのはいかがなものか。

スティーヴィーは結局スケボーもあまり上達しないし成長もしない。
スティーヴィーが怪我して兄との関係や母と悪友たちの関係がフワッと良くなった気がするのも何だかな。

これならKIDSとかマイ・プライベート・アイダホとか要はガス・ヴァン・サントの作品観たら良い。
雰囲気はもちろん当時のものだから最高だしアイダホのリバーとキアヌの関係は今作でのレイとシットファックの関係をより濃くしたような感じ。

堕落する少年の話だったらディカプリオのバスケットボールダイアリーズも良いよな🏀

しかしこのスケボーキッズたちはスティーヴィーが仲間に入りたそうにこちらを見ている時に自然と迎え入れてくれて結構良い奴らだったな。
こういう子たちって部外者を敵視したり新入りをパシリにしたりしがちだけどスケボーというスポーツで繋がってるからか映画だからなのかフレンドリーなのが良かった。
カネコ

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