たーぼ

mid90s ミッドナインティーズのたーぼのレビュー・感想・評価

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90年代、10代の青春。

ずっと平均台に乗っているかのような気持ちで観てた。
何事もなく渡りきれそうでもあるし、ちょっとしたことで大きく踏み外しそうでもある。
こんなにひりついた青春ドラマを観るのは久しぶりだった。

ワルに憧れる子どもの頃。
価値観や倫理観の違いから生じる居心地の悪さから、徐々に打ち解けて、かけがえの無い仲間になっていくあの感じ。
親になって覚える自分の子供への心配事。
描かれているものが、いつか経験したことあるようなことばかりで、どの人物にも感情移入してしまう。

序盤は作り物の90年代表現がノイズというか、バックトゥザ・フューチャー観てるかのような気分になったり、なんだかカットが拙く感じる場面もあったけれど、中盤から生々しさで画面に釘付けになった。
リアリティ重視だけれど、ドラマとしてきちんと調整されている人間関係の描き方が良かった。
言葉で語り過ぎず、演技や映像で伝える映画らしい映画で、とても好き。
主演の子役がとにかく上手かったなぁ。
彼を好きになれたからこそ観れる作品だった。
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