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mid90s ミッドナインティーズのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

4.5


1990年代中盤。アメリカ西海岸、ロサンゼルスの下町。
スケートボードショップに屯するグループを横目で見て憧れる主人公。
下っ端扱いからメンバーに気に入られ認められていく様は、どこか『グッドフェローズ』のレイ・リオッタ演じる主人公がマフィアに染まっていく過程を彷彿とさせ微笑ましく、かつ痛々しい。
あんな小さい少年が、無理してタバコ、酒、マリファナ吸って。スケボーで無茶なワザキメて。「俺を一人前として認めてくれよ」的な。
 
スケートボードキッズ達は、基本不良少年なんだけど、出入りする少年達の家庭にも貧富や格差が存在する事が次第に明らかになる。
めぐまれない境遇でもスケボーを足掛りに懸命に将来を掴もうとするリーダー格の黒人レイと、
金持ち家庭に生まれたが完全パリピ的に「楽しくダラダラやってこうや」思考のファックシットの対比、自ずと起こる二人の衝突がリアルに描かれ良かった。

兄貴のイアンは、彼が何故あんな内向的な性格になったかを想像すると哀しい。18歳で自分を産んだ母親は、幾つになっても若く可愛い、男性に依存せずには生きられないタイプの女性。地元スケーターが家に出入りして「夜は母親がファ○クする音が聴こえてくるんだ」。

好きなシーン幾つか。
1つ目は、女の子達とパーティで盛りがった後で、主人公と、少し年上の遊び慣れした可愛い女の子がツーショット。優しい気持ちが通い合った会話から、ベッドの有る別室へ。
観客の誰もが淡い思い出を掻き立てられ胸が熱くなるようなシーン。要はエロくてエモくて最高って話。あと、少し背徳感(笑)。

2つ目は、車で事故った後、母親が病院のロビーに行くとスケボーポッセ達が心配で駆けつけ、寝ちゃってるシーン。ケンカしたアイツも、事故起こしたアイツも居る。なんだかんだ言ってもチーム感ある感じが良い。

3つ目は、スティービーのボードが壊れたので、レイがお店のスケートボードをタダでスティービーに作ってあげるシーン。普通にお礼言ってもいいんだよ、サンバーン!

'90sHIPHOPでいうと、やっぱTribeとThe Pharcydeはたまらんです。最高。
ただ、少し前に観た「ブックスマート」を筆頭に映画界全体(邦画除く)の音楽使いのレベルはかなり上がっていてこの作品が飛び抜けて音楽使いが素晴らしいとは思わなかった。

【'80から'90回顧作品の台頭?】
ブルーススプリングスティーンを題材にした作品(カセットテープダイアリー、サンダーロード 未見)が2作公開されたかと思えば、「90年代ストリートカルチャー」(行き止まりの世界に生まれて、ヒストリーオブビースティボーイズ)を題材にした作品も
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