紅茶

mid90s ミッドナインティーズの紅茶のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの劇場鑑賞にして久しぶりに泣いた。俳優ジョナ・ヒルの監督デビュー作品。アメリカではポール・ダノもそうでしたが、若手の役者が監督業に進出している動きが最近見られます。
本作はスケート・カルチャーやヒップホップを通じて90年代特有の空気感を味わいながら、未成年ならではの人間ドラマを楽しめる作品になっています(私は90年代を物心の付いていないわずか2年間しか体感してない分際だがご了承)。スケートボードに関心を抱いた主人公スティーブンは彼と行動を共にするスケートの仲間たちとの関わり合いの中で新たな世界に足を踏み出す。悪い方へと変わっていくスティーブンは兄や母、そしてスケート仲間の中でも堅実な考えを持つレイを通して自分の生き方を見つめ直す。フォース・グレードが撮り溜めていたビデオを病室で鑑賞する場面で終わるのもまた良い。
この85分という尺の中でスティーブンはスケート・ボードやそれを取り巻く仲間と共にあらゆる経験をする。そこから彼は何を学び、何を得たのか。またこの仲間同士の対立も現実味に帯び、その応酬も実に具に描かれている。そんな中で常時流れるヒップホップソング(Pharcydeは実に良い)やそれに加えママス&パパスやモリッシーの変化球的な選曲もまた面白い。

P.S.
ジョナ・ヒル関連で彼の妹が出演している『ブックスマート』も梯子しようと思っていたが昼に食したサンドウィッチに侵され断念。
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