ジンロク

ナイチンゲールのジンロクのレビュー・感想・評価

ナイチンゲール(2019年製作の映画)
4.0
11月26日を勝手にマイシネマデイとして、3本の映画を鑑賞しました。3本に共通するのは「悪いやつ」。ということで、第一弾が「ナイチンゲール」。
朝4時からwowow撮りだめのもっとも古いやつをチョイス。夜明け前に伝説の看護師の話でも観ておこうかと予備知識なしに見始めたら、全く違うリベンジものでした。
英国領タスマニアで、英国将校(今作の悪いやつ筆頭)がアイルランド人の流人を支配し、さらにはタスマニア原住民は家畜同然の扱いを受けている。
差別の多重構造。差別する側は全く差別とは思わない、当然の支配としか思えない。相手が受ける理不尽を理不尽とは思わない。しかし、支配の頂点にいるかに見える将校も、軍内部では支配者たり得ていない。その姑息な出世欲が周囲を悲劇に巻き込んでいく。もっとも自分を見失わないのは最下部に位置づけられているタスマニアの原住民。そこが救いでした。
早朝からきつい映画でしたが、いかにもヴェネツィアで評価されそうな作風でした。
学んだこと:復讐の成就が着地点とは限らない。
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