Kota

7月22日のKotaのレビュー・感想・評価

7月22日(2018年製作の映画)
3.7
“だから僕は生きる道を選ぶ。”

2011年7月22日、ノルウェーオスロのウトヤ島で実際に起きた大量虐殺事件をモデルに“キャプテン・フィリップス”のポール・グリーングラス監督が映画化。虐殺シーンだけでなく、被害者家族や大統領の対応にフォーカスを当てているのがこの監督っぽい。

似た作品に事件をワンカットで撮り切った“ウトヤ島、7月22日”があるけどあちらより全然面白かった。事件のシーンは30分程でそれからは犯人と被害者の裁判がメインに。カリスマ的な犯人の異常さと、トラウマを負った少年の再生物語がいいバランスで進む。また、法によって犯人を簡単に裁けないという理不尽さにはある種のパラドクスに陥る。

実際こんな事件に直面したら自分だったらどうなってしまうのだろう。とりあえず事件から10年間は次の攻撃は起きていないから結局犯人のブラフだったということなのか…。色々考えさせられる作品だった。
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