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ROMA/ローマのyokoのネタバレレビュー・内容・結末

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

よーやくネトフリ入ったから観た。
ひたすら悲しみをはらんだ映画だった。

フェルミンがクレオに言い放った「召使いが」って言葉がクレオのすべてだった。
不平不満もなく、ただひたすら毎日犬の糞を掃除して、誰かのつけたランプを消して、誰かのために門を開けて。
それが生きるってことなのか?

ホテルの部屋の傾いた絵画、スクリーンの中で堕ちる飛行機、外に出たがる犬、籠の鳥、犬の首の剥製の横にいる犬、天井が落ちたのに生き延びる赤ちゃん、洪水の町で水不足対策を謳う選挙カー、クレオの子は死んで隣で別の子は産まれてる。
何カットもある飛行機はひたすら低空飛行。
すべてが歪で噛み合わなくて、観てて悲しくなった。

最後まで自分の思いを言わなかったクレオなのに、海でこどもたちを助けたあとに唯一言った言葉が産まれてほしくなかった、ってもう悲しさのどん底。
けど女の子だから産まれなくてよかったのかもと思っちゃうのも事実で。
そのクレオの横にいたのが雇用主一家っていうのも根本的に救いになってはいない。
彼らにとってクレオは家政婦で、ミドルネームも誕生日も知らない保険にも加入させられるわけがないただの先住民の女に過ぎないんだから。
純真なのは子どもだけだけど、彼らもいずれは大人になっちゃう。
けど雇用主のソフィアも女は孤独って言って離婚してて、じゃあ下層で女で子どもも死産で母親も政府に土地奪われてるクレオはなんなんだよ、と虚しさが胸に押し寄せる。
心が常に凪というか諦観の念で満たされてるクレオだから、目をつぶっても何にも惑わされずに片足で立っていられるんだよね。
全然いいことじゃないよ。

ぺぺがひたすら天使だった。
僕が大きかった頃ね、ってかわいすぎる。
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