Yoshiaki0529

ROMA/ローマのYoshiaki0529のネタバレレビュー・内容・結末

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

思うことを羅列

この映画の評価が非常に高く、その期待値が高かったからか、良い映画に思えた。
白黒ながら色が生えたように見えるカメラワークは非常に美しく、どのカメラワークをとっても監督の繊細さが伝わった。特に親戚一同で集った草原、ビーチで違いを抱き合う家族のシーンは何気ない日常に生きる彼らの生が白黒でありながら生き生きと伝わってきた。

bgmを一切使うことのないまま、動物の音、音楽隊の行進の音、車の音、暴動の音、海の音などが自然と流れ、違和感なくこの映画の世界に入り込むことができた。

中流家庭の使用人を物語の軸に置き、彼女の周りで起きる日常の中の幸福、不幸、危機、出会い、別れが淡々と描かれ、起承転結がはっきりしない、いわば私たちが生きる現実の一部をとったリアリテイのある映画。女性蔑視、学生による政府へのデモなど、当時の社会問題にも触れられいたが、あくまでも映画のサブストーリーとして、当たり前に行われるものとして物語が展開していたところにもリアリティが感じられた。

飛行機の描写が印象的だったので、この描写について考えてみると、飛行機はある目的地へと向かうための乗り物。物語に描かれていた家族は、お母さんが言っていた通り、夫との別れ、死産など、あるはずだった家族像に変化がおこってしまうが、それでも新たな家族で再び出発しなければならない、つまり新たな冒険が始まろうとしている。それがうまくいくかはわからないが、必ず目的地、つまり自分たちの居場所があると信じて飛行機に乗るしかない。というような意味合いが込められているのではないかと考えた。
Yoshiaki0529

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