ヒロシー

ROMA/ローマのヒロシーのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.5
町山智浩氏の解説によると、これは「お詫びの映画」らしい。自分の子供の時に女性や先住民が酷い扱いを受けていたか分からなかったアルフォンソ・キュアロンが、自らの子供の頃を映画として映し出した。更に後の世代へと遺恨を残さぬ為に。そして悲しいことに、今はそのキュアロン自身が米大統領によって貶められているのだから、時代は何も変わっていないのだ。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロ、そしてアルフォンソ・キュアロン…。今の時代にチャチャチャ・フィルムの三人が活躍しているのは決して時代背景と無縁ではないだろう。

それにしても『ゼロ・グラビティ』でオスカー監督賞受賞者したキュアロンの撮影は恐るべしとしか言えない。ただ広い玄関を掃除しているだけ、ただ父親が車で帰ってきただけ、ただ男共が集まって武道をしているだけなのに、何故ここまで引き込まれるんだろう。映像美という言葉で片付けられるものではない。ポスターにもなっている海岸で後光が刺すシーンは、もう伝説に残るんじゃないでしょうか。

劇場で観たい。この映像と音響は劇場で観るべきだ。
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