ペジオ

ROMA/ローマのペジオのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.4
色褪せても思い出はパンフォーカスで美しいまま

武術万歳の彼氏の姿を見てると「健全な魂は健全な肉体に宿れかし」って言葉を思い出す

アルフォンソ・キュアロン監督の少年時代の思い出…言わば監督の「原風景」の映画という訳で、「女性への讃歌」「生命力を感じる海」など、そこかしこにキュアロンの過去作の要素が見出だせる(「宇宙からの脱出」は「ゼロ・グラビティ」の原型か?)
如何にキュアロンが一貫した作家であったか解る

オープニングから持ってかれた…「床に撒かれた水に反射した空」の画は映画の真理でもあろう「映し出され、ゆらめく光」の美しさがあったし、何よりこの美しさが「人々の生活感」とも相容れるものであった事が本作を象徴していた様に思う(極端な話、この映画「ウ○コ」すら美しいのです。)
映画全編が奥行きを感じる「透視図法」的な構図だらけで、消失点の「一つや二つ」は容易に見つけられるくらいバッキバキにキマッている(ちょっとキューブリックっぽくもある。)
「三点目」…「高さ」をあまり感じさせないのは、映画が「市井の人々の目線」に寄り添っている証拠だろう
唯一(?)の例外であるラストの「眺望」シーン、そこに被さる「監督がこの映画を捧げた人の名」… その人に対する監督の想い…

Shantih Shantih Shantih…
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