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ROMA/ローマのhi1oakiのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
3.6
アルフォンソ・キュアロンの監督作としては『天国の口、終りの楽園。』以来のメキシコ帰還作品。
三宅隆太氏が言うところの“ソフトストーリー”の中に“こういう画を撮りたい”っていうのをふんだんに詰め込んだ、それはそれは美しい映画。アカデミー撮影賞は納得。
個人的にオスカーを受賞したか否かは映画の面白さや価値に影響は与えないと思っているんだけど、2019年のアカデミー賞に関してはこのアート作品をNetflix配信という閉じられた場所からアメリカや日本の劇場に引きずり出したという功績は大きい。この映画は大きなスクリーンで細部や質感を確かめたいよね。
ただまぁ物語が画期的に面白いかと言うとそれはまた別の話。ぶっちゃけ眠くなるところもあるし、まわりで寝てる人もいた。そうなるのもわかる作品ではある。アートフィルムにエンターテイメント的なエピソードを半ば強引に盛り込んでいる感じもある。
確かにこの企画は大手が手広く配給するには通りづらい代物だと思う。Netflixで話題にして劇場公開にこぎつけた戦略は、映画界のシステムを根底から揺るがしたけど、この作品単体で考えるなら間違っていなかったのかと。ただこの先Netflixやディズニーという“大帝国”が独自の配信で作品を囲っていくであろうことにはまだ抵抗はある。
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