メキシコの子だくさんの家庭の生活を映した映画。
家族と、お手伝いさんのクレオの関係性がとってもいい。
子どもたちが自然にクレオに寄り添い寝転がったり、会話したり、時には励ましてくれたりと、心から信頼している関係が観ていて幸せになった。
そんな生活で関わってくる男たちは、ほんとどうしょうもない人間だった。
クレオを妊娠させた男、責任感はないわ、自分勝手、武術を嗜んでいるとか云々いっていた。
心身ともに鍛えていない以上、ただの暴力を振るう踊り、その程度の情けない男だった。
その男から、クレオの出産や子育てにあたっての買い物などの展開がくる。
出産時は、ハラハラドキドキだ。
もう、落ち着かなかった。。。
頑張れ、頑張れ!家族みんな応援してるよ!って。
出産後の抱きかかえるところは、涙がこぼれた。
その後の旅行も、家族のこれからのあり方について、しっかり話し合った。子どもたちも受け入れ難い内容だが、ちゃんと聞いてくれた。
そして、帰宅前のビーチ、ここはかなり印象に残ったに違いない。
子どもたちを助けようと、泳げないクレオが海に向かって進む。
必死だ。命を落とさないように、必ず助ける。覚悟がみえた。
なんとか助かった後、みんなで抱き合った。
クレオからは心の声が漏れ、みんなでまた支え合おう、一緒に頑張ろって気持ちが励ましになった。
クレオはなかなか自分の気持ちを表現しない。自分は何がしたいんだなどの気持ちをださない。
だから、この時の心からの叫びは、僕らの心にも刺さるように聞こえたと思う。
最初の家事の場面では、ゆっくりと横スクロールのカメラワーク、そして、この海の場面も横スクロール。
横スクロールが最初印象に残ったところで、海の場面。
溺れている子どもにカットを分けて貰えば状況が少しは判明するかもだけど、クレオを中心に横スクロール。
先がみえない演出が、なんともいい。
最初と最後の長回しの場面に興味がもてたら、きっとこの映画に釘付けになるはず。
清掃していたのか、水の流れが迫ってきてるななどね。
長回しがあると空気感まで映しているように観えてくるので、ぜひ劇場で見て欲しい!!