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スレンダーマン 奴を見たら、終わりのYSKのレビュー・感想・評価

1.4
インターネット発の怪談話でよく登場する怪人で、2009年に初めて語られて以後瞬く間に大流行したともいわれるスレンダーマンを怪異の根源とした作品

起きているとき以外はネット世界に接続しないためあまり詳しくないのですが、この作品をスレンダーマンの全てだとしたら何一つ恐さがなく、何一つ不気味さがなく、何一つ気持ち悪さが感じられない存在としか言いようがありません

「これを見たらスレンダーマンに狙われる」と嘯かれた映像こそ手が込んでいるようにも思いましたが、その実スレンダーマンが姿を現してみれば恐ろしそうな「雰囲気」が漂っていなかったことが残念です

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんて言葉もありますが、怪異が怪異たる所以はその「雰囲気」にあります
例えば日本の妖怪はその根源を雰囲気に持つものが多く、不意の事故で子どもが姿を消したり亡くなってしまった事象を妖怪の仕業にして慰めたり、暗いところ狭いところなど本能的に距離を置きたくなるものにたいして妖怪の名前をつけることによって「〇〇に見つからないうちに家に帰ろう」と子どもを諭したり呼び掛けたりすることで人が感じる恐ろしさの分だけ数を増やしていきました

しかしこのスレンダーマンにそんな情緒はなく、ただ現れて子どもをさらっていくだけであれば先輩方が多すぎて埋没してしまいますよね
そしてこの手の都市伝説をベースにした恐い話であれば、結局まだ日本の作品のほうが琴線に触れるような気がします
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