このレビューはネタバレを含みます
一夏のバカンスのはずなのに売人になって愛を知った主人公。
街のみんなが最期を思い描いてしまうほど典型的なワルでカリスマ性を持つ兄。
2人はどうしてあんなにお金を稼いで友も恋人も不自由なく生きれたのに町を離れずにいたのか。
アメリカ人ではないし東京出身だからか気持ちがわからないが環境によって作られた生活ではなく自らの心自体が縛られてしまっていることによって生まれた人生だろうと思えた。
何もない田舎町に彼らの全てがあって、憧れというより妄想を抱く都会に対してはどこか踏み入れられない恐怖があるから自分の居場所でどうにかしようとする。
ダニエル達の関係も彼自身の目線から見てしまうと新しく何かを築くよりごまかして守ろうとしているように見えた。
寂れた町には決まりきったシナリオが何個かあってその中から選ぶしかないんだろう。
それが小さな町だけの話でありそこにも違う人間はいると願いたい。
余談だが試写会で鑑賞しましたが、
試写ではたまにゲストが土壇しこれか
ら観る映画のことについてトークするのだが、どれだけトーク力があろうがどれだけ華やかなゲストだろうがこれから観る映画のことについて話されるのは100パーセント不要だ。いらない。
なぜこれから観るのに内容を話されなければならないのだろうか。
なぜこれから観るのに先入観を持たされなければならないのだろうか。
なぜこれから観るのに良く知りもしない人の考えを聞かなければならないのか。
イヤホンをつけそれなりの音量で音楽を聴かなければ声を遮るのは不可能な状況でそれを行うのも失礼だ。
だが先ほど述べたように話をされる時点で自分にとっては試写会で観る映画は死んでいるも同然だ。
自分の心の中からの感想は持てないだろう。
そんな感想に価値があるとも僕は思わない。