りゅっくサック

平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVERのりゅっくサックのレビュー・感想・評価

2.8
今作は今までのライダー映画と風味が違い
「仮面ライダーがフィクションとされてる世界(=現実)にライダー達が迷い込む」というメタな設定。
ジオウのタイムトラベルや、最終話にて世界線がリセットされたビルド新世界を交えながら
現在進行形のライダーファンであればあるほど「え…これって…どうなるの?」とミステリアスなストーリーに迷い込んで行く。
先進的な設定は少しマーベル的で、これは新しいと思った。

ツクヨミがあるキャラと親しく話してるシーンに嫉妬した明光院ゲイツが「奴はここで消す」と武力行使しようとするのなんか爆笑でした。
こういうの本編でももっと見たい…!

それでもやっぱり根は東映スタイルというか…。

まず残念なのはタイムジャッカーの敵ティードがただの変な敵だったこと。
実力のある俳優さんなので中盤までラスボス感があり、腹に一物抱えてそうな感じはワクワクしました。
しかし最後には「フハハハ全て滅ぼしてやる!」とか昔のRPGの魔王みたいな事を言い出して残念。

やっぱり意志も能力も強大な敵に勝たないとカタルシスは薄いなぁと思ったり。

そしてストーリー的には、さらば仮面ライダー電王ファイナル・カウントダウン(2008)の内容とほぼ変わらないんですよね。
あちらでは良太郎と孫の幸太郎の絆の再確認や世代交代。
そして死んだ恋人を蘇らせようとする敵。
とまだ分かりやすい設定があったんですが。

今作は記憶を無くして変身できなくなったり、元のライダー世界に帰れなくなったり
膨大なルール設定と謎が多いんですね。
それを分かりやすくする丁寧に説明した結果
「中盤までテンポは良いのに、全然ライダーは集結しないしクライマックスではもう冷めちゃってる」
と肝心のライダー集結と種明かしがどうでもよくなってしまってる。

そんなベラベラ台詞で説明して回想シーン入れなくても
視聴者も子供もそんな馬鹿じゃないよ…と東映作品には毎回思うんですが。
子供向けのジオウ&ビルドコラボ映画と、20代平成ライダーファン向けアニバーサリー企画を両立させようとして両方ともダメになってしまった印象。

あともう一つ大きな要因はアベンジャーズ /エンド・ゲーム公開期間と被るソフト販売ってところですかねぇ。
あれを見た後はさすがに……。

あとオタクの小言ですが
なんでデンライナーが現れた時に“テレレレ~レレレ~テレレレ~レレレ~”鳴らさないんだよっつ!!!!!!!!!!!!!

それでもあるシーンではブワッと鳥肌が立ちましたし
平成ジェネレーションズやジオウのおかげなのか過去ライダー俳優さんの声の出演や
当時の声を流すなど権利関係も頑張っていたと思います。

ただこれを平成最後の大団円とするのは………惜しすぎるぅぅ……。
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