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永遠の門 ゴッホの見た未来のkuのレビュー・感想・評価

4.5
狂人とは何か。
自分に害を成す者は狂人か。
自分の大切な物を守る為に声を荒らげる者は狂人か。

幻覚に怯え、悩まされる。その姿を見た第三者は狂人と蔑み、憐れむ。本来見えないものが見えてしまう、それは所謂健常者には理解が出来ない。見えていないのだから。何もないものを見つめ怯える姿は果たして異常なのか。見える本人にとっては耐え難い事実に対し怯えるといった正常な反応を示しているだけ。いつの時代も、狂人は正常な反応を示しているのだ。その対象が周りに見えない、ただそれだけで人は斯くも簡単に狂人となってしまう。

深い依存は人を殺す。

あたしにはゴッホの見続けた現実を受け止めるほどの器は持ち合わせていませんでした。
揺れるカメラワークに合わせて押し寄せる感情の波にまんまと飲まれ、体調が悪い。ゴッホだから生きた。あの人生はあたしには耐えられない。

一人でひっそりと観たほうがいい映画だと思いました。不特定多数と一緒に観るものじゃない。辛い。
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