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永遠の門 ゴッホの見た未来のchamのレビュー・感想・評価

4.1
周りの人々とはうまくコミュニケーションもとれず理解もされない生きづらさを体感しながらも、この映画の中ではゴッホがただ苦しんでいただけではないという事がふんだんに込められていた。ゴッホ死には謎が多いけど、ゴッホの絵は最後まで命の力強さが滾っていた。
最後にゴッホの絵のモデルとなりゴッホに理解のあったガシェ医師との会話。ゴッホが実際にどう感じていたかはわからないけど、絵の中では悲しみも糧にして自分を見失わずにしっかりと力強く生きているゴッホの姿がこの映画の真髄となっている。

アルル時代の様々な波乱が描かれていたけれど、ゴッホのアルル時代の黄色く命輝く絵が私は大好きだ。目の前にあるものを見て自分の感じたまま描く事にゴッホは拘っていた。それが人から認められなくても、ゴーギャンに対してもそこは譲らなかった。
画家になったのが遅く37歳で亡くなってしまったため画家人生も短く、生涯で絵も1枚しか売れず悲しい画家だと見られかちなゴッホ。その短い画家人生の中で沢山の作品を世に残しているがどれも熱量が凄まじく、絵の中で永遠に生き続ける命を手に入れた人だとも思う。
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