個人的ベストオブベストの１つにランクイン。
現代にも通じる女性の悩みを描いていて、とても心に刺さった。私がちょうどジョーと同じステージにいるから余計かもしれない。
女性はどうやって生きていくのが幸せなのか？
人それぞれ価値観が異なるし、幸せの基準も異なる。同じ家庭で育ちながらも、別々の人生を歩む四姉妹の現状に焦点を当てることで、それがとてもわかりやすく描かれていると思う。
過去と現在が複雑に入り組んだ脚本になっているから『若草物語』の大筋を知らないと難しいかもしれない。メインの時間軸はジョーが学校を開く前あたり。少女時代は全て回想。
難点はベスが三女に見えないこと。どう見ても末っ子な容姿。体が弱いからって猩紅熱以前は普通だと思うぞ。そして、ベスっぽくない台詞回し。末っ子っぽい。
エイミーの方が大人っぽいのは、彼女の強かさと、姉妹であり友人である一方でライバルでもあるジョーとの関係を強調したいからなのかな？
エリザベス・テイラー版でもそんな感じだった。
飛行機の中で視聴。
日本語吹き替えがなんとなく嫌で英語で見たけれど、あまりわからなかったのでアマプラでレンタル。なんと100円！
やはり日本語字幕ないと大事なことがわからないし、この物語には100円以上の価値があると思う。
参考、備忘録的に記録
現在の個人的ベストオブベストは以下
・マグノリアの花たち
・プラダを着た悪魔
・ビッグ・フィッシュ
・いつか晴れた日に
・私の若草物語←New！
以下、ネタバレ？
・ジョーがかっこいい。1回目は自立を求める彼女の強さに憧れる。
・けれど、2回目は、大人になることから逃げているようにも見える。特にテディーを振った場面ではそう思った。
・かといって、恋愛を受け入れることが、大人の女性になることを受け入れることとも思えないし、思いたくない。
・ただ、思春期の頃って、社会的な女性像に対する抵抗を示すために、自分の女性性を否定したり隠したりすることって多々あると思う。もちろん、思春期の頃にどんどん女性的な装いになる人もいるけれど。でも、ズボンばかり履いたり、髪を短くしたり、何かしら男性的な要素を取り入れる層って一定数いると思う。それでいて、かわいいものやおしゃれに興味がないわけではなく、矛盾を感じたりさ。私は、自分の持っている女性という性と社会的な所謂“女性”はイコールではないのに、イコールな気がして、どっちに対してもハリネズミみたいになってたから。
・だから、ジョーがある程度大人になって、諦めなのか好意的になのかはわからないけれど、自分の女性という性自体に対して寛容になったから、ベア先生への感情も受け入れられたのかな？とは思った。
・1回目のエンディングは自立と恋人を手に入れたジョーのハッピーエンドと受け止めたけど、2回目はなんとなく苦い後味が残るよね。特にオルコット自身が結婚してないことを知ったら。
・私は姉だし、主人公のジョーも姉だしで、1回目はエイミーへの印象が悪い。
・けれど、2回目になると、エイミーはエイミーで辛いのが切々と伝わってくる。テディーも社会的な成功も自分にはないのに、ジョーはテディーを振るし、小説家になった姉とは違い自分は画家になれそうにないし。その上、おばさんから支援(=家族を支えなければいけないという重圧)があるし。
・メグには違う意味で憧れる。好きな人と結婚し、結婚してからの生活に不満はあれど、結婚相手に後悔はないあたりが。
・姉妹三人をみていて思ったけど、友愛と恋愛と結婚って難しいよね。結婚相手って苦楽を共にするパートナーという意味では戦友だし親友だとも思うけれど、では親友と性行為出来るかと言ったら違うだろうし。かといって、結婚相手を条件で選べば、情はあっても愛がないから納得出来なさそうだし。じゃあ、(映画にはないけれど)恋愛相手なら結婚できるかというと、それはそれで違う気もする。
・最近思うのは、恋愛というか生涯のパートナー探しって、自分が精神的に大人になって何かしらの孤独を持たない限りできないのではということ。だって、実家で精神的安寧を得ている限り、彼氏とのやりとりが減って悲しくなるどころか、どんどん面倒になっていく。この人がいなくなったら世界が真っ暗になる、とか思わない。多分。悲しいけど、家族を失くすほどの落ち込みはないと思う。でも、結婚ってそういう相手だから人生を共にするためにするんでしょ？ それともラブロマンスに憧れすぎ？
・だから、恋愛に孤独は必要な気がする。エイミーとジョーは親元を離れ、テディーは振られて、その後にそれぞれくっついてるから、この仮説は多少合っているのでは？
・とはいえ、なぜテディーはエイミーでよかったんだ......
・そして、だからメグに憧れる。いわゆる女の幸せを疑わずに結婚して、結婚相手を好きなままでいるメグすごすぎる。
・でも、エマ・ワトソンはジョーを演じたかったんだろうなぁ。ベル演じたくらいだもんな。ハーマイオニーだし。トム・フェルトンが初恋の理由に、私も納得したし。彼女はジョーだと思う。
・ともかく、時間があれば原作を再読したい。今度は青い鳥文庫ではなく普通の文庫で。全部読んだけど忘れちゃった。
