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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のNAOのレビュー・感想・評価

5.0
珍しく長く書きたくなった。

これを早く観たくて観たくてたまらなくて、『若草物語』1から読み直したほど。観てよかったし、読んでおいてほんとによかった。

『若草物語』は読んだことある人にとっては当たり前かもしれないけど、ジョーが主人公であり語り手であるが、ジョーを中心に回ってるわけじゃない。あの姉妹も、ローリーも、お母さんも伯母さんも先生も欠けちゃいけない。
ジョーが主人公の映画だと聞いて、彼女を中心に進んでたらな……と少し不安もあった。すぐそんな不安も馬鹿だったと気づきますが。

ジョーがNYにいるところから始まって、「どうやって展開していくんだろう」って気になりながら見ていくと、もうほんと、時系列がうまーーくまとまってる。各登場人物の転機や印象的な出来事もちゃんと含まれてるから、時系列行き来して原作と流れが違っても分かりやすい。

強いて言えば、あの下宿先でベア先生が子供達に優しく指導していじられてるところとかもうちょい欲しかったな〜〜結末を知ってるから最後納得したけど、「急すぎない?!」ってなるよね(笑)
あと個人的にお母さんがジョーの作品を読んで「書きなさい」って諭すところとか、欲しかった。
でもなくても上手く分かるようになっている。すごい。

原作を読んでイメージしてたお家の雰囲気とかパーティの雰囲気がそのまんま映像化されてるのも嬉しかった。「グレタ氏、、、大道具小道具さん、、、衣装さん、、、分かってるな、、泣」って感じ。
討論会する屋根裏とかね!!!最高

そしてなんといっても演者のなりきり具合が素晴らしい。エマワトソンじゃなくてメグだったし、ティモシーじゃなくてローリーだった。ローリーは原作でも本当にいい男なので、ティミーまた株あげたな!しばらく彼にお休みはないでしょう!
私のイメージで、エイミーはもっとクリクリお目目で声が高くて、the お嬢様を想定してたんだけど、フローレンスピューの見せるエイミーは私のイメージ以上に「エイミー」を見せてくれた気がする。

ジョーの名台詞や女性の生き方云々は、正直原作を読んで語ってほしい。
メグがどんな気持ちで家計簿を見せたか、ジョーがどうして髪を切ったか、ベスのマザーテレサっぷり、エイミーの社交界への憧れは、やっぱり初めから最後まで読んで分かるものだと思う。
でもそれでも、色んな立場の女性たちがどんな悩みをもち、どんなことに幸せを感じ、どう生きていく(生きてきた)のかがこの1本の映画で伝わってくる。

総じてとっても暖かい、原作に恥じない素晴らしい若草物語でした。
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