ボロロボ

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のボロロボのレビュー・感想・評価

4.4
グレタ・ガーウィグに泣かされた。
ラブ・ストーリー偏重ではない、家族愛と隣人愛と自由と自己実現の浮き沈み物語。

冒頭、シアーシャ・ローナン演じるジョーが疾走するシーンを観て、「フランシス・ハ」でグレタ・ガーウィグが演じたフランシスの疾走シーンを思い出し、脳内でデヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」が流れた。

家族愛で繋がっている女性たちは正に太陽。
我が家もワタクシ以外は女性でして、一家団らんになるとズバリ「女子会」状態にw 当作で姉妹たちの会話はしゃべる速さもテンポもペースアップしますが、「そうそう、我が家もこんな感じ!」と激しく同意w
屋敷はだだっ広いのに男だらけでむさ苦しくて雰囲気暗い隣のローランド家に、マーチ家の女性陣が初めて入り込んだあのシーン、正に「パアッと明るくなる」演出でした。ローランド爺さんの目が優しくなるんですよねえ。

マーチ家は父親が出征していて父親不在の状態。ジョーは生来の性格もあるのだろうけど、お父さん的な思考や立ち回りをしていたんじゃないかなあ。

そして際立つのは、男共の不器用さ、無神経さ、だらしなさ・・・身につまされますwww あのローリー(ティモシー・シャラメ)にめっちゃ親近感w パーフェクトなイケメンキャラじゃあないんだよねえww

王道ストーリーに新鮮味を吹き込むひねりを利かせた演出の数々。
時系列の往来が頻繁なので、人によってはちょっと分かりにくいかもしれません。

最後は見事な幕の下ろし方。
振り返ってみると駆け足だったようにも思えるのに、濃密な一時。

アレクサンドル・デスプラの音楽も良かった。

古きよき製本のプロセス。
オールドスクールなエンドクレジット。
温故知新。

ちょっとでも興味を持たれた男性には是非ご覧いただきたい。

衣装は確かに良かったけど、他部門でもアカデミー賞取れたのでは。
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