このレビューはネタバレを含みます
素晴らしい絵が絶え間なく連続する芸術的な作品。加えて、時間軸の交錯が心地いい文学的な作品でもあった。
シアーシャ・ローナンが疾走するシーンは、抱えたコートの揺らぎによって風を感じさせる。
海辺で戯れるシーンではピンクの空色と、鮮やかな海の青、暖かな砂浜、服によって彩られるピクセル、人の肉体的な触れ合いや距離感、配置によって絵画のような美しさが作り上げられていた。
面白いのはオチの部分。
彼女は結婚を手に入れたのか、はたまた独身を貫いたのかは映画の中では明らかにされていない。
ラストシーンだって現実のものなのかどうかは言及されていない。
そう書かされた本の描写ともとれる。
ジョーが選んだ中庸がそこにはあった。