性格、才能、価値観、すべてバラバラな四姉妹。それぞれの「幸せ」を追う中で衝突する葛藤が、切なくも可憐に描き出される。
まず、アカデミー衣装デザイン賞を存分に楽しもう。19世紀アメリカコレクションが可愛すぎて、これだけでも観る価値アリだ。
しかし何より、構成の工夫とその回収の完璧さに唸らされる。
過去と現在の時系列が入り交じる今作。暖色/寒色フィルターで視覚的に識別させつつ、ターニングポイントでは時空の重なりを表現するという、映画にしか出来ない見事な構成であった。
また、小説家を目指す次女ジョーの主観的な経験が「物語」へと編まれてゆく過程には、胸を高鳴らせずにはいられまい。
人生という大作小説を読破したような充足感。
読み終えた者は皆前を向いているはず。
今度は、自分の「幸せ」を再検討してみようか。