救済。
アカデミー賞ノミネート作品である今作「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」は、大変素晴らしい作品だった。
ノミネート作品は、どれも素晴らしいが 「パラサイト 半地下の家族」 「ジョジョ・ラビット」と対比すると驚きである。最早、対比するのが難しい作品とも思えた。
まだ作品として見切れていない様にも感じるので詳しくは書かないが、主人公ジョーとテディ。その家族の個性が大変チャーミングであった。ストーリーとして人生のハイライトがスポットに当りがちではあったが、過去と現在の入れ替わりのバランスが見事!
人生を語るのであれば過去は全て記憶であり、その美化され易くそのビジョンが印象的に前に出ているが、映画での登場人物の言葉だけをストレートに間に受けないで是非、見て欲しい。
言葉は、相手に言うだけではなく無意識のうちに自分に言っている言葉だったりする。愛故の嘘やそれがエゴだったりするのだとは思うのだが、言えなかったり言葉だけで伝えられない想いが確かにそこにはあるようにも感じられた。
見る側の今や過去と対比させる事でどの世代でも感情移入できるようになっており、感動するハイライトがそれぞれによって変わるという最高な仕様となっているとも言える。
だからこそ、僕はこの映画が救済の映画にも見えた。
もう一度、ゆっくり鑑賞しようと思う。