えいこ

ディリリとパリの時間旅行のえいこのレビュー・感想・評価

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)
3.7
ベルエポックのパリを、キュートで勇敢な少女ディリリと青年オレルが三輪車で駆け巡る。昔のディズニー映画を思わせる平面的でレトロな人物と、監督が写真で撮ったというパリの実写風景が、時間旅行を現実に見せる不思議な世界観を生んでいる。

初めは、動きがぎこちなく感じたが、物語が動き出すにつれて慣れてきて、著名な人物が次々と登場する楽しさやパリの街の美しさを堪能。

物語は、少女誘拐や男性支配、権力の腐敗など暗部も描かれ、地下水路や街外れの廃墟や物乞いなど、煌びやかな姿との対比も現代的。偏見や差別は現代もなくなっていない。監督は、おとぎ話のように描くことで、かえってそれが見えやすくなると言う。解放された少女たちがペダルを漕ぐ飛行船に灯がともり、空に昇っていく様子はうっとりするほど美しい。

ガブリエル・ヤレドの音楽も素敵。
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