め

ブルー・マインドのめのレビュー・感想・評価

ブルー・マインド(2017年製作の映画)
4.0
軽い気持ちで観る物では無かった。本当に。作品自体のクオリティが高過ぎて完全に映画の世界観に飲み込まれてしまった。★4.5つけてもいいくらいクオリティは高かったと思うけどストーリーが分かりにくく解釈が難しい所もあるから3.9に近い4って感じかな。

とはいえここまで安易に人に勧められない映画を見る日が来るとは、、。見終わってからかなり悪い意味でなんとも言えない余韻が残る。ここまで感情を持っていかれた映画も久々だったな。本当に何となく雰囲気に惹かれて見始めたけれどここまで良くも悪くもえげつないものだとは思わなかった。しばらく食欲もわかない気がするし酒もしばらく要らないと思わされる程に気持ち悪い…。

作品の構成要素全てが汚くて、目を背けたくなるほどに気持ち悪くて狂ってるのにこんなに美しいのは何故だろう。(単純にスイス人が美しすぎるのが前提にあるけれど。)邦画の渇きに近いものを感じる。基本的にスローペースで進んでいくのにシーンごとの動と静の違いが上手く使われている感じ。激しく狂ったシーンもあえて映像がスローにされていたり、叫び悲しむシーンなのに恐ろしい程に静けさが漂っていたり、そういった気持ち悪さによってどんどん見ている方も気が狂いそうになり目を背けたくなる。なのに何故かどんどんこの作品の世界に引き込まれて行く。とても残酷で見るに堪えないような展開なのに、変わり果ててゆく彼女ミアの姿から目が離せなくなる。

グロテスクな物に全く抵抗がない人は純粋に楽しめるのかもしれない。そんな人とは私は仲良くできない気がするけれど。(個人的に)ヨーロッパ映画らしいスローでとてもとても重いこの作品。日本人がイメージする治安の悪い外国像がそのまま描かれている感じ。あんまりまだこういう暗い洋画に自分が慣れていないのを感じた、、。ただもうこれは見たくないかな。終わりが見えなくなってきたからこの辺で。
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