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楽園のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

楽園(2019年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

たった一人の女児失踪事件が永遠に終息することのない土着感染症のように疑惑に疑惑をうみ何十年いや何百年も傷跡をのこすような大災害の爆心地のようにえがかれざるをえない心やんだ住人ばかりの狭小な限界集落。イヤミス映画の王道をいく皆おもいつめた表情そして突飛な行動。どこかタルコフスキーのストーカーのよう。今の日本のよう。本作は複数の原作短編をたくみに料理したミステリー映画とするより。その短編集そのものをまるごとストレートに映画化した土俗犯罪オムニバス実録映画と解釈するほうがよい。中世黒魔術な時代倒錯感のえぐいことえぐいこと。狂言まわしの杉咲花を最凶の魔女ファムファタールとすると腑におちる作品。ふてぶてしい三國連太郎とちがってはかなげな佐藤浩市のキャラがきいている。
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