羊

ぼけますから、よろしくお願いします。の羊のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

女性の映画監督が自分の両親に密着したドキュメンタリー。
認知症のリアルを知った。認知症の薬を飲み忘れるんじゃなくて、直前に飲んだことを忘れて過剰に飲んでたり、前回訪れた時と同じ服を着てたり、洗濯機の中で服が腐ってたり…本人の意図しないことで人間としての尊厳が失われるような行動に悲しくなった。

映画の後半怖かった。お母様が自分で気づかない間に転んで目を怪我して病院に行って。それがきっかけなのか、「もう死にたい、包丁持ってきて」とか、お父様に「私のこといつも馬鹿にして」と言って泣いて物に当たったり。まだ続編見てないけど、このご家族が健やかに過ごせてるといいな…と思った。

お父様は静かな人だけど、耳が遠いからお母様が後半「助けて、助けて」って言ってる時も聞こえてなくて、それでお母様もますますパニックになっちゃってたな…2人が手を握るシーンは感動的ではあったけど、やっぱりこの映画監督の娘さんがいない状態で、2人だけで暮らしていくのは大変そうだなと思ってしまった。

ヘルパーさんとか、介護施設の様子も少し出てきて、介護の現場の大変さを改めて感じた。
お母様、ヘルパーさんと最初に話した時は笑顔で頷いてたのに、暫くしたら忘れちゃってキレてた。でも段々慣れてきて、ヘルパーさんが「私のことは後輩と思って」って言ってるの、上手いなと思った。
羊