MaruyamaRyo

ぼけますから、よろしくお願いします。のMaruyamaRyoのレビュー・感想・評価

4.5
映像作家の娘が、認知症になった母と老老介護をする父を追ったドキュメンタリー。認知症を患う前から家族に向けてカメラを向けるのが当たり前であったようで、カメラがあることの違和感が全くなかった。
陽気で社交的な母が段々と変わっていく姿は辛い。認知症の人は自身でも異変があることは分かるため、世話してきた家族に逆に迷惑をかけていることへの苛立ちや、死にたいと騒ぎ出す。その様子を見ていて、今まで上っ面しか理解していなかった、この病気の困難さを知れた。

自分の祖父母、父母がそうなった時に私は向き合える覚悟があるだろうか、正直難しい、と思ってしまった。

もう一方、この映画に出てくるお父さんがとても魅力的だった。95歳を越えており、腰が曲がって、耳も遠いがそれ以外は元気。症状が悪くなった妻の代わりに、この歳にして、掃除、裁縫、料理を始めるというバイタリティーの高さ。知的好奇心も旺盛で、新聞や本を毎日読み、英語も勉強しているという。見習いたい。
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